COLUMN/INTERVIEW

【連載】ジャズ百貨店 名盤BEST 20 第18回:ビング・クロスビー『ホワイト・クリスマス』

2016年の発売スタート以来、シリーズ累計出荷が75万枚を超えるユニバーサル・ジャズの定番シリーズ「ジャズ百貨店」。今秋新たなラインナップ100タイトルが登場するのに先駆けて、これまでに発売された全510タイトルの中から“いま”最も売れている20枚をピックアップし、個性豊かな執筆陣が紹介します。



文:青野賢一

洋楽に少しでも触れたことがある方なら、必ずや耳にしたことがあるであろうクリスマス・ソングといえば「ホワイト・クリスマス」ではないだろうか。現在までさまざまなアーティストにより歌い継がれているこの曲の初出は1942年の映画『スイング・ホテル』。フレッド・アステアとビング・クロスビーが共演したこの映画のなかで、ビング・クロスビーは10曲の歌唱を披露しているが、そのうちの1曲が「ホワイト・クリスマス」である。1903年、ワシントンに生まれたビング・クロスビーは学生時代からジャズ・バンドを結成し、1926年にはポール・ホワイトマン楽団に歌手として入団。1931年の「アイ・サレンダー・ディア」のヒットによってソロ・シンガーとして本格的に活動を始めた。映画で歌われた「ホワイト・クリスマス」はSP盤が発売されると人気が高まり、そののちにシングル盤としてリイシューされたことで自身最大のヒットとなった。



この「ホワイト・クリスマス」をはじめ、「きよしこの夜」や「ジングル・ベル」、「サンタが町にやって来る」といったクリスマス・ソングをたっぷり収録したアルバムが『ホワイト・クリスマス』(原題:Merry Christmas)。LPとしての最初のヴァージョンは1955年にリリースされたモノラル録音盤で、リイシューを重ねるなかで擬似ステレオ化されたこともあったが、本ヴァージョンはオリジナルと同様モノラルを採用しており、ビング・クロスビーのヴォーカルが近くに感じられるのがいい。



 さて、このアルバムの楽しみ方だが、たとえばクリスマス・ディナーの支度をしながらとか、夕食のあとの語らいのひとときに、さりげない音量で流すのはどうだろう。曲や歌唱、演奏は長い年月ひとびとに聴き継がれてきただけあって強度があり、真正面からアルバムに対峙せずともその存在感は損なわれはしない。料理をしつつ家族や友人、パートナーを待つ時間、あるいは会話の合間にこのアルバムがまるでラジオから流れてきたかのように聞こえていたら、なんとも穏やかな心持ちになりそうではないか。


【リリース情報】
ビング・クロスビー『ホワイト・クリスマス』

UCCU-5901
https://store.universal-music.co.jp/product/uccu5901/

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